昨年に引き続き、「管理会計」シリーズになります。
前回管理会計は判断するための数字と書かせていただきました。
今回はより実務的な内容の予算と実績との比較について書かせていただきます。
― 実務で意識したいポイント ―
予算と実績を比べて
「ズレている」「達成できていない」で終わってしまうと、
予実管理はあまり意味を持ちません。
大切なのは、
その差から何を読み取り、次にどう活かすかです。
① まずは「ズレた理由」を分けて考える
予実差異が出たとき、最初に見るのは
売上要因か、コスト要因かです。
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売上が未達だったのか
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売上は達成したが、コストが増えたのか
ここを分けるだけで、見るべきポイントがかなり絞れます。
② 売上差異は「数量」と「単価」で見る
売上が予算を下回った場合、
原因は大きく2つに分けられます。
具体例
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来客数が少なかった(数量要因)
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値引きが多かった(単価要因)
同じ売上未達でも、
対策はまったく変わります。
数が足りないのか、値段の問題なのか
ここを切り分けるのがポイントです。
③ コスト差異は「想定外か、想定内か」で考える
コストが予算を超えた場合は、
それが想定外だったかどうかを確認します。
具体例
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原材料価格の急騰 → 外部要因
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残業増加による人件費増 → 内部要因
想定外なら「次の予算にどう反映するか」、
内部要因なら「運用をどう見直すか」を考えます。
④ 差異の大小より「毎月出ているか」を見る
1回だけ大きな差異が出ることもありますが、
実務で注意したいのは 小さな差異の積み重ね です。
具体例
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毎月、広告費が少しずつ予算オーバー
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毎月、原価率が0.5%ずつ悪化
単月では見逃しがちですが、
放っておくと大きな利益差につながります。
⑤ 「責める」ではなく「改善につなげる」
予実差異は、
誰かを責めるための数字ではありません。
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前提が甘くなかったか
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環境が変わっていないか
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やり方を見直す余地はないか
こうした視点で見ることで、
数字が次のアクションにつながる情報になります。
まとめ
予実差異を見るときに意識したいのは、
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売上かコストかを分けて考える
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原因をシンプルに切り分ける
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単月ではなく、傾向を見る
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改善につなげる視点を持つ
この4点です。
予実差異は、
「計画と現実のズレ」を教えてくれる貴重な材料です。
うまく使えば、管理会計はぐっと実務的になります。


