どんなに経験してきても、生徒たちへの最後の受験校提案は緊張します。
むしろ、慣れちゃいけない。子どもたちの人生がかかっていますので。
生徒たちにとって、受験に最後まで全力で向き合えたかどうかが重要。だから妥協したくないのです。
そんな進路指導の経験の中で、最後に「覚醒」して合格を勝ちとった生徒たちも大勢います。
どうしても行きたい学校があるのに、成績が足りていない生徒。
模試でも合格ラインに届きませんでした。あと1歩がどうしても足りません。
「私立高校の合格した学部コースによっては、志望校を下げます」と約束したものの、残念ながら
私立2校、計4回の受験で、全て希望していたコースより下にスライドしてしまいました。
迎えた県立受験校を決定する三者面談、その生徒に泣きながら懇願されました。
「どうしてもこの学校に行きたいんです。諦めたくないんです。お願いですから受験させてください!」
3時間面談しました。保護者様も子どもが約束を守らないことに怒り、頑固さに呆れ?、最後は
本人の強い意思にご納得くださいました。「そこまで言うんだったら、やってみなさい」。
もともと夏休み後は夕方~夜まで「自習室の住人」だった生徒。
面談後に学習時間を増やしたわけでもなく、授業を追加したわけでもありません。
ただ、変わったのは「覚悟」。
覇気みたいなもの?
担当した先生たちも、何となくですが合格が見えた最後の1か月。
決して偏差値では表せない変化を、周囲の誰もが感じていました。
合格して、再び号泣しながら報告しに来てくれたときは、思わずこっちも泣きそうになりました。
何がきっかけになるのでしょう。
危機感? 努力? 自信? プライド?
他人からのアドバイスは単なるきっかけ。全ては本人の強い意思です。
県立入試まで、あと26日?
まだ26日!
覚悟を決めて勉強するには、十分な時間です。