ここ最近目にするようになったのですが、
みなさまは、「サポート詐欺」というのをご存知でしょうか。
実際に実物を目にしましたので、
注意喚起と、この詐欺に引っかからないようにする対処法についてまとめました。
出典:IPA│偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ
巧妙化する詐欺の手口
サポート詐欺とは?
サポート詐欺とは、主にインターネット利用中に「ウイルス感染」や「セキュリティ問題が発生した」といった偽の警告メッセージを表示し、利用者をだまして金銭を詐取する手口です。
この詐欺では、不安を煽るようなメッセージや警告音を利用し、利用者を急かして偽のサポート窓口に連絡させることが特徴です。
詐欺師は連絡を受けると、「修復作業が必要」などと言い、サポート料名目でお金を要求したり、リモート操作で個人情報を盗み取るといった手口を用います。
被害者の多くは、不安に駆られて指示に従ってしまうため、冷静な判断が難しくなりやすいのも特徴です。
このような詐欺は、巧妙な手法で本物の警告に見せかけており、インターネットやセキュリティに詳しくない人々を中心に被害が拡大しています。
偽セキュリティ警告とも言われています。
新しい手口ではない⁈
近年、ニュース番組などでも特集されるほど被害が拡大している「サポート詐欺」ですが、この手口自体は新しいものではありません。
実際には以前から存在しており、特にインターネットの普及とともに2010年頃から急増していると言われています。
サポート詐欺のターゲットは?
サポート詐欺のターゲットとなるのは、インターネットやセキュリティについての知識が十分ではない“情報弱者”です。
この詐欺では、PCの画面上にあたかもウイルスに感染しているかのような「偽の警告画面」を表示させ、不安を煽る手法が多用されています。
特に近年では、この「ウイルス検出の偽警告」に関する相談が急増しており、2024年1月から3月の間だけでも1,385件の相談がIPA情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられています。
また、「ウイルス検出の偽警告」に関する相談件数は、「不正ログイン」や「宅配便業者・通信事業者・公的機関をかたる偽SMS」といった他の詐欺手口を上回り、全体の42.9%を占める状況にまで至っています。
サポート詐欺の目的
サポート詐欺の主な目的は、偽の警告画面を信じ込ませ、ユーザーから金銭を詐取することにあります。
典型的な手口として、偽のサポート窓口への連絡を促し、「PCの状況を確認するため」と称して正規のリモートツールをインストールさせます。
これにより、詐欺師は「遠隔サポートを実施した」という理由で高額なサポート料金を請求するのです。正規のツールが利用されるため、ユーザーが詐欺と気づくのは容易ではありません。
しかし、最近では金銭の詐取だけでなく、別の目的を持った犯行も増加しています。
例えば、リモートツールを通じてマルウェアを仕込む、またはPC内の個人情報や機密データを盗み出すといった手口です。
実際に、大阪の小学校で職員が偽のサポート窓口に連絡した後、PCに保存されていた個人情報を含むファイルが失われ、一部のデータが流出したという事件も報告されています。
このように、サポート詐欺は単なる金銭的被害にとどまらず、情報漏洩やシステム破壊といった二次被害をも引き起こす可能性があります。被害を防ぐためには、詐欺の目的や手口を正しく理解し、冷静に対処することが重要です。
サポート詐欺の特徴
サポート詐欺は、その手口の巧妙さと緊急性を強調するメッセージで、ユーザーをだますことを目的としています。以下に、典型的な特徴を挙げます。
1. 突然の全画面表示
インターネット利用中に突然全画面で「警告」が表示され、ブラウザを閉じることが難しくなる場合があります。この手法でユーザーをパニックに陥らせ、冷静な判断を妨げます。
2. 不安を煽るメッセージ
「ウイルスに感染しました」や「個人情報が漏洩しています」といった、緊急性を強調する文言が使用されます。これにより、ユーザーは迅速に対応しなければならないと感じてしまいます。
3. 偽のサポート窓口の表示
画面内に「サポートセンター」や「セキュリティチーム」と称した連絡先が記載され、すぐに電話やメールで連絡するよう促されます。
4. 正規のツールを使用
詐欺師は、リモートサポートのために正規のツールを使用することが多く、これにより本物のサポートと見分けがつきにくい状況を作り出します。
5. 高額な請求や情報窃取
「サポート料」として高額な金銭を要求するだけでなく、リモートツールを悪用して個人情報や機密データを盗むこともあります。
これらの特徴を理解しておくことで、サポート詐欺に遭遇した際に冷静に対応しやすくなります。詐欺師の手口は日々進化していますが、事前に知識を持っておくことで被害を防ぐことが可能です。
サポート詐欺に遭遇したらどのように対処するべきか。
サポート詐欺に遭遇した際に最も重要なのは、冷静に対処することです。突然の警告画面や不安を煽るメッセージに慌てず、適切な対応を取ることで被害を防ぐことができます。以下に具体的な対処法を挙げますので、ぜひ参考にしてください。
1. 偽の警告画面を強制終了する
警告画面が閉じられない場合は、以下の方法を試してブラウザやアプリケーションを終了させましょう。
- 方法①: 「ESC」キーを3秒ほど長押しし、画面右上に表示される「閉じる」ボタンをクリックする。
- 方法②: 「Alt」+「F4」キーを同時に押してブラウザを強制終了する。
- 方法③: 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを押し、電源アイコンをクリックして「再起動」を選択する。
2. 指示に従わない
警告画面に記載されている電話番号に連絡したり、指示されたリンクをクリックしたりしないでください。これらは詐欺師がユーザーを誘導するための手口です。
3. 事前に練習しておく
IPA(情報処理推進機構)の体験サイトでは、偽警告画面を模擬的に再現し、正しい対処法を練習することができます。いざというときに落ち着いて対応できるよう、事前に操作方法を試しておくと安心です。
サポート詐欺は、不安を煽って判断力を鈍らせることを狙った手口です。これらの対処法を覚えておくことで、冷静に対応し被害を未然に防ぐことができます。
まとめ / 最後に
サポート詐欺は、インターネット利用者の不安を巧みに利用し、金銭の詐取や個人情報の窃取を狙う非常に悪質な手口です。特に近年では、偽の警告画面や正規のリモートツールを用いた手口が増え、被害が拡大しています。
この記事では、サポート詐欺の概要や特徴、そして遭遇した際の具体的な対処法についてご紹介しました。
以下のポイントを覚えておきましょう:
- 偽の警告画面が表示されても慌てず、冷静に対処すること。
- 「ESCキー」や「Alt+F4」などを活用して、画面やブラウザを強制終了する方法を事前に把握しておくこと。
- 警告画面に記載された電話番号やリンクには絶対にアクセスしないこと。
また、詐欺の手口は日々進化しているため、最新の情報を収集し、対策を講じることが重要です。IPAが提供する体験サイトを活用し、いざというときのために正しい操作を練習しておくと安心です。
サポート詐欺に遭わないためには、一人ひとりの注意と情報リテラシーの向上が不可欠です。この記事を通じて、少しでも多くの方が詐欺被害を未然に防ぐための手助けとなれば幸いです。