学習について

2023.08.11  手塚真史

こんにちは。教育部門の手塚です。

本日は自分自身の思考整理も兼ねて、かなり真面目な堅い内容にしたいと思います。(思考整理がメインです)

結構長い上に読ませる内容ではないかもしれません。お気をつけください。

 

私は塾で働いていることもあり、「学習」に関しては個人的にかなり研究してきたつもりです。

中学や高校での、学習するであるとか勉強するであるとか、これらを成り立たせるために必要な要素というものを長い時間考えてきました。

結論から言えば、学習や勉強において重要度が高いのは「必要性」や「目的」です。

 

例えば、学校のワークを提出しなければならないから2時間数学を勉強する人と、数学のテストで点数を取りたいと思って2時間勉強する人とではその成果に差が出ます。

同じ2時間という勉強時間でも、前者は厳しい言い方をすればほとんど勉強する意味がありません。極端な言い方をすれば、わからない問題は解答を赤ペンで写せば目的が達成されてしまうからです。

後者は「テストで点数を取るためにどうすれば良いか」や「何を覚えておくべきなのか」を考えながら取り組まなければ目的が達成できないため、勉強の中心がそちらに移ります。赤ペンで答えを写してもそれだけでは目的は達成されないので、本来身につけなければならないものを身につけようとします。そのため、前者に比べて効果があるわけです。

この2種で言えば少しわかりやすいものであったと思いますが、他の場合も例外ではなく、総じてやること自体が目的になっている場合は勉強の効果はあまりなく、その先に何か目的を持っている人は勉強の効果が出てきます。

 

ここでの目的は正直なところ何でもよく、今はテストの点数でしたが、本人が目的だと本心から実感できるものであれば何でも問題ありません。

勉強というステージで言えば、最も良いのはその科目を理解したいという興味によって学ぶこと自体が目的になることですが、この興味は勉強の初期には存在しないこともよくあります。

そのため、もう少しその人にとってわかりやすい目的があることが理想です。その目的がわかりやすいのであれば多少俗物的なものであっても良いと私は思っています。俗物的なものというのは、言い換えれば「物で釣る」ようなことです。

何事もできるようになってしまえば楽しくなることが多く、それ自体を目的に進めていくことができる場合が増えます。そのため、最も難しい走り出しの時点をいかに簡単にするかが重要だと思うからです。

 

途中「身につける」という言葉も使いましたが、これも「学習」においては重要ワードです。

1+2=3であることは誰しも理解していると思いますし、なぜそうなるのかを説明できると思います。

そしてこれと同様のことをしてそれ以外の足し算もできるようにしているはずです。つまり、本質を理解して身につけているのなら、応用が利くのです。そしてそれが本来の学習であると私は考えています。

また、これぐらい理解していることであれば一生忘れないと言っても過言ではないほど身についていると思います。そのレベルにまで理解を落とし込むことが身につけるということで、そこまでの域に達することができれば、内容を忘れてしまうといったことが減るわけです。

ちなみに、「同様のことをする」という部分がおそらく実際には難しい部分である場合が多いようで、同じことをして問題が解けているという実感があれば、勉強においては理解していると捉えて良いのだと暫定的にですが考えています。

 

また、この「学習」というものは勉強以外にも行われるべきものであると思います。

例えば運動であったり、仕事であったり、家事であったり。それぞれがこなすことを目的としてしまうと身につくには時間がかかりますが、その先の何かを目的としていると学習しやすく身につきやすくなります。

親のもとまで移動することを目的に歩くことを覚え、その先の仕事をするためにツールの使い方を覚え、効率よく栄養を取ったり美味しいものを食べたりするために料理の仕方を覚えるわけです。何かを目的としているからこそ覚えることが効率よく進められる良い例だと思います。

 

逆に「覚えること」を目的としていると覚えづらいという点もあり、これについても個人的には1つの見解を得ています。ただし一意見に過ぎないことを明記しておきます。

本来、目的・目標というものは実は達成しづらいものだとも考えています。それは、それ自体がゴールになっているからです。

例えば、「1週間で10冊の本を読んでください」と言われた場合と「1週間で1冊の本を読んでください」と言われた場合を考えます。

1冊読み切るのにかかる時間を考えると明らかに前者のほうが早く終わるはずです。1冊というのは前者にとっては通過点に過ぎないからです。

つまり、覚えることを目標にするとそれを達成するまでに努力するという構図になりますが、例えば覚えた知識を使うことを目標とすると覚えることは通過点に過ぎないので達成が早くなるのです。それ自体が全体であることと、それが全体の一部であることとで、そこに到達するまでの早さが変わるということです。

ただし、これはあくまで私のこれまでの見解であって、多くの人に当てはまるかどうかは定かではありません。

あまりにも目標が乖離することは逆効果にも思えますが、テストなどでも80点を目標にするよりは90点を目標にしたほうが、結果的に80点を取れることが増えると考えています。志望校や偏差値などもこれと同じです。

同様のことが仕事にも活かせるのではないかと考えています。

目標があったとしてもそれを目標とせず、さらに高い目標を掲げて進むことで、結果的に今の目標を都度達成していけるという考えです。私は割とあると思っています。

 

長くなりましたが、個人的には自分の考えがまとめられ、今後の授業に役立てられそうなのでこのあたりで終わりにしたいと思います。

もしここまで読んだという奇特な方がいらっしゃるのであればうれしいです。一緒に美味しいお酒が飲めるかもしれません。

文字に起こすことで考えが整理されることが結構あるので、今後もたまに書いていこうと思います。

CONTACT USお問い合わせ

サービスに関すること等、お気軽にお問い合わせください。

028-647-3322

[受付時間]
平日9:00~17:30

お問い合わせ
フォームはこちら
ページトップへ